働く

仕事漬けの20代と30代。

その頃はまだ「働き方改革」なんて言葉もなく、たくさん働く美徳がまだ蔓延っていた。

忘れたいことがたくさんありすぎて、仕事にかまけていたかった時期。

仕事に集中すれば、少なくとも考えなくて済むし、会わなくて済む。

婚約破棄も親からの搾取も、自分の不甲斐なさも全部忘れたかった。隙間時間にイヤなことを思い出したりして、さらに落胆したくなかった。

私、本当に頑張ったと思う。早朝から晩まで働き詰め。朝、月を見ながら出勤して、夜も月を見ながら帰る。それでも、その方が良かった。慢性的に疲れれば、仕事以外の思考は、全て停止するから。